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    « August 2007 | Main | October 2007 »

    Posts from September 2007

    Sep 30, 2007

    人事異動

    10/1付のリクルートの人事により、(株)Media Shakersへの出向を解除され、株主総会の手続きが整い次第、同社の取締役を退任することとなりました。実際に内示を受けてから発令までの期間も短かったこともあり、引継ぎ準備やら、送別会やらで何となくバタバタしていることもあり、正直に言うと、本人の気持ちもキッチリ整理が出来ていないところではあるのですが、事実は事実として、この場でもタイムリーに公開しておこうと思います。直接のご挨拶が追いついていない皆さん、ブログで先行してアナウンスしてしまう非礼をお許しいただきたく。

    Media Shakersの会社設立以来、ちょうど2年。会社設立準備の段階から携わってきたプロジェクトでもあり、会社の成長プロセスと共に、僕自身も経営陣の一員として非常に内容の濃い経験をさせていただくことが出来ました。これも、両親会社の関連する皆さん、取引先の皆さん、Shakersのメンバーの皆さんのお陰と、今はただ感謝の思いでいっぱいです。

    異動先は、(株)アールスリー・ヘルスケアというリクルートと三井物産のJVです。現在は医療と健康に関する総合サイトとして「ここカラダ」という病院検索サービスを展開していますが、8月に発表を行った介護情報サービス事業の立ち上げに関する仕事を主に担当する予定です。

    Link: ニュースリリース | リクルートと三井物産による介護情報サービス事業開始のお知らせ - RECRUIT.

    クロスメディア・プロモーションの領域から介護情報サービスへ、仕事の領域も大きく変わることとなります。私自身は、この領域に関する専門家でも何でもありませんので、新しく学ばなければならないことが山積ですが、過去10年間、様々な立場で新規事業の立上げに携わった経験を生かして、チャレンジしていきたいと考えています。

    Sep 24, 2007

    木を切れば木っ端は飛ぶ

    チェチェン やめられない戦争
    アンナ・ポリトコフスカヤ 三浦 みどり
    NHK出版 (2004/08/25)
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    本書は、2006年の10月に自宅アパートのエレベーターで何者かに射殺されたロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの著書。彼女の殺害に続いて、同年11月、同じくプーチン政権を批判する元FSB(ロシア連邦保安庁:旧ソ連のKGBの後継組織)のアレクサンドル・リトビネンコの放射性物質ポロニウム210により、亡命先のイギリス国内で何者かによって殺害される事件が起きた。ロシアの反体制ジャーナリスト・活動家の相次ぐ不可解な死は、当初より彼らの殺害の背景に政治的な意図が働いていると推測され、FSBの関与を疑わせる関係者からの証言が取り上げられるなど、西側では大きく報道されることとなった。

    彼女がこの本を通じて伝えたかったこと。紛争の現場、戦時下における一般市民の生活。武装勢力の掃討作戦の名の下に、繰り返される略奪、強姦、誘拐、殺人。なぜ、このような紛争がおきたのか、また何故やめられないのか、ソ連崩壊以降のロシア連邦において強権的な統治手法をとるプーチン政権と軍部、新興財閥の蜜月。実態から大幅に誇張された武装勢力側の能力、水増しされた戦果によって評価を上げ、ロシアの英雄として昇進していく軍関係者、中央からの紛争地域再建のための予算を横領する、共和国政府の官僚。紛争地域の石油資源を巡る非正規ビジネスの利益、それらを見逃す便宜を図ることによって賄賂をもらう軍部、共和国政府の官僚。つまり、紛争状態の継続が権力者に連なる関係者すべての利益につながっていること、連邦側の関与者には紛争を終わらせる動機が不在であること。

    Link: チェチェン共和国 - Wikipedia.
    Link: 第一次チェチェン紛争 - Wikipedia.
    Link: 第二次チェチェン紛争 - Wikipedia.

    ロシア政府の対外的な言説では、国際的なテロリズムに対する戦いの一環として位置づけられているチェチェン紛争。イスラム原理主義者の関与が仄めかされるだけで、西側もそれを無批判に受け入れられてしまう。背景として、近年の原油高を背景に資源供給国としてその発言力を強めるプーチン政権に連邦の内政問題であるチェチェン紛争において対峙するよりも、石油資源の供給源の多様化と安定という自らの国益のために、多少のことには目をつぶってしまえという利害の判断があることは間違いない。もちろん、北方領土問題というアキレス腱の他に、サハリン・ルートの石油・天然ガスの資源問題がある、日本も無関係ではない。

    平時であれば、そのような冷静さをもって受け止められる世論も、大規模なテロ事件の後には、テロリストに対する憎悪が勝って、対抗・予防措置の強化に流されていく。そのような場面で、どこまでがテロに対する戦いの範囲なのかを見極めるのは非常に難しい。主要なメディアが半ば強引に国有化され大量のプロパガンダが流され、有効な野党勢力を持たないロシアにおいては、市民に正常な判断を求めること自体が不可能に近い。西側においても、イラク戦争の際の、大量破壊兵器に関する情報操作を見ても施政者側の意図が介在した場合は、ジャーナリズムがその真相を明らかに出来なければ、一般市民は施政者を管理・監督する方途を持たないことになる。

    大義の前に、犠牲を強いる、「木を切れば木っ端は飛ぶ」的な施政者の演説がなされたら要注意だ。施政者の独善を許した場合、情報操作を主たる手段とする点において、テロリズムとカウンター・テロリズムの取る戦術と、その結果として市民にもたらされる悲劇は驚くほど似ていることに気付くのは、事が始まってから随分と後のタイミングとなって、取り返しのつかないことになっているかもしれない。

    皮肉なことに、彼女の自身の死によってジャーナリストとしての注目度は高まり、その著作の内容も多くの人に読まれるようになった。しかし、それでも彼女は まだ幸運なのかもしれない。驚くべきことに、ロシアでは1999年から2006年までの間に126名のジャーナリストが死亡、もしくは行方不明になってい るという(wikipedia)。 今日現在では、アンナ・ポリトコフスカヤ殺害の犯人とされる逮捕者は出ているものの、その真相は解明されていない。「ロシアン・ダイアリー」の解説の中で NHK解説委員の田中和夫(元モスクワ支局長)は、プーチン政権下でポトリコフスカヤ以前に12人のジャーナリストが命を奪われているが、いずれも未解決 であると記述している。

    テロリストが「悪」であること、テロリストに対する戦いに反対することを「悪」とすることは違う。冷静に世の中で起きていることを理解することが、正しい判断のためには必要だ。

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    Sep 11, 2007

    Emporio Armani Diamonds

    ビヨンセが Emporio Armani の女性向けフレグランス DIAMONDS のテレビCFに登場。彼女のパフォーマンスをモノクロの映像がクールに引き締めています。曲はマリリン・モンローの“Diamonds Are A Girls Best Friend”ですな。

    制作者のクレジットはこちらのサイトに。
    Link: Playing Emporio Armani Diamonds Fragrance: Can You Resist | Ads of the World.

    Advertising Agency: SelectNY, USA
    Agency Producer: Maria Soares
    Prod Company: Anonymous Content
    Director: Jake Nava
    EP/Head of Commercials: Dave Morrison
    Head of Production: Sue Ellen Clair
    Editorial: Cut & Run, London
    Editor: Dayn Williams
    EP: Angela Hart
    Music: “Diamonds Are A Girls Best Friend”
    Artist: Beyonce
    Aired: September 2007

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    Sep 06, 2007

    Business 2.0 廃刊

    Business20 dot-com業界の栄枯盛衰の歴史と、その誌面の厚み(広告ページの量)が全くシンクロしていた「Business 2.0」。プリントメディアが苦戦する広告業界の昨今のトレンドには逆らえず、広告収益の減少により、ついに廃刊。

    創刊当初から、テクノロジー関連の話題と、ネット関連の新しいビジネスモデルを取り上げた誌面は、結構複雑な技術の仕組みや、ビジネスモデルを分かりやすくチャート化してしまう、知的なセンスが素晴らしい本でした。載っている話題も、誌面の雰囲気も、新しい産業の勢いを伝える元気のあるものだったのが印象に残っています。

    今は亡き、RealNamesのInternet Keywordの仕組み(参考記事)を採用して、誌面の記事や広告とネットを連携させる試みなど、当時としては斬新なクロスメディアのアプローチをいち早く実践していたりもしていました。

    編集スタッフは、同じTime Inc.のFortuneへ移動するそうです。

    Link: Time Inc. to Close Business 2.0 - New York Times.

    Business 2.0, a monthly magazine about the new economy, will be shut down rather than sold, its owners at Time Inc. have decided. The publication, which has been suffering from a decline in advertising revenue, will cease publication after its October issue, which will have a cover article on where to invest in a real estate downturn.

    According to people familiar with Time Inc.’s handling of the matter, Time turned down offers from Mansueto Ventures, owners of the rival magazine Fast Company, and other prospective buyers to acquire the Business 2.0 brand and its circulation list of 600,000 subscribers.

    Link: Technology news and opportunities - Business 2.0 on CNNMoney.

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    Music

    • Chaka Kahn - Foolish Fool

      Foolish Fool
      Chaka Kahn: Funk This

      チャカ・カーンのアルバム、久しぶりのオリジナルアルバムのリリースのようですが、ハイ・トーン・ボーカルは衰え知らずで迫力満点。ジャム&ルイスがプロデュースを担当してますが、70'sのソウル・ファンクの雰囲気が色濃くて、彼女にとっては原点回帰っぽい作風か。プリンス“Sign 'O' The Times”、ジミ・ヘンドリックス“Castles Made Of Sand”など、カバー曲もよくフィットしております。

    • Thievery Corporation -

      Thievery Corporation: Versions
      Washington DCをベースに活躍するベテランDJユニット Thievery Corpのリミックス集、2006年リリース。Sultan Khan、The Doors からAstrud Gilberto を経て Sarah McLachlan まで、いったいどんな仕事選びの基準ですかってくらい、幅広い音楽を彼ら流儀で Dub で Downtempo で Chillout でありつつ、エキサイティングなTrip-Hop に換骨奪胎する逞しさは実力の賜物か。こっち方面としては久々のお気に入り。

    • MIKA - Grace Kelly

      Grace Kelly
      MIKA: Life in Cartoon Motion

      レバノン出身のロンドンをベースに活躍する男性シンガーMIKAのデビューアルバム。“Grace Kelly”は英国を中心に欧州各国ではかなり大ヒットした模様。音域の広さも、オペラの経験があったりするバックグラウンドも含めて、確かにフレディの再来を感じさせるのですが、アルバムで表現されているポップセンスの引き出しの豊かさは、単なるフォロワーとは異なる可能性を感じます。最近のUKポップシーンは、タレントぞろいで豊作ですね。

    • My Chemical Romance - Welcome To The Black Parade

      Welcome To The Black Parade
      My Chemical Romance: The Black Parade

      なんとなくティーン向けのバンドっぽいチャラチャラした印象があったので、何気にスルーしていたMy Chemiですが、この1枚は往年のロック名盤のようにキッチリとしたコンセプトアルバムです。雰囲気的にはQUEENがZiggy Stardustを演奏した感じなんていったら褒めすぎかしら。いずれにしろ子供たちだけのお楽しみにしておくのはもったいない感じ。
      歌詞はけっこうドスンと暗いので、ドライブ向きな雰囲気では無いですけど、大音量で楽しむとロックな気分が満喫できますぜ。

    • 4hero - Morning Child

      Morning Child
      4hero: Play with the changes

      UKクラブシーンのベテラン4heroのなんと6年ぶりの新作。長いブランクを全く感じさせないのは、それぞれのプロジェクトで一線で活躍を続けていたからかも。変わらない4hero節はホントに素晴らしいく、豪華で多彩なゲストボーカル陣、流麗なストリングス・アレンジ、ジャズっぽくシンコペーションするサイドシンバルなど、華やかで盛り上がっちゃう要素が満載です。

    Books

    • 高山 文彦: エレクトラ―中上健次の生涯

      高山 文彦: エレクトラ―中上健次の生涯
      中上健次の評伝。作家と編集者の関係性を軸にしながら、作家自身の複雑な背景と作品とのコンテキストを明らかにしていく。10代の頃に、ただただ圧倒されて読んだ中上作品の背景を知り、改めて「岬」や「枯木灘」などを読み返してみると、そのコンテンツとしての印象も、より深く重いものになったと思う。

    • ジョン・アーヴィング: また会う日まで 上

      ジョン・アーヴィング: また会う日まで 上
      いや、長ーい。ある種の忍耐力を試されるような長さ。幼少期~少年期~青年期のスピード感の変化は、実際の人の記憶とシンクロしているような、紙幅の使い方。実は、計算された演出のうちの一つなんだよね、ということが読後にわかります。やるな老作家。だからこそ、下巻まで頑張って通読しましょうぜ。個人的には、アーヴィングの本の中では、ガープ以降で最も好き。なんか、真実の多面性と親子関係の奥深さについて改めて考えさせられます。よって、子供はある程度大人になるまで読んじゃダメ、絶対。

    • デイヴィット ハルバースタム: ファイアハウス

      デイヴィット ハルバースタム: ファイアハウス
      September 11で犠牲になった消防士のお話。通俗的なお涙頂戴のお話にならないのは、デイヴィット ハルバースタムの“事実をして語らしむ”手法があるから。日常の何の気ないエピソードの連続から、特殊な共同体としてのNYの消防署の生活の様が語られます。そこにある、温かな日常、家族や仲間との親しい交わりは、職業としてチームとしてなんら飾りや偽りのない関係性を求められていた彼らとしては当然あるべき姿だったのかもしれません。
      彼らの多くがアイルランド系のカトリックという背景については、そもそも、この本を読んでみるきっかけとなった映画“Ladder 49”にも重要な伏線として出てきますが、元々が移民からなる米国の多層的な社会を理解するには、正直もう少し時間がかかりそうです。

    • 福岡 伸一: 生物と無生物のあいだ

      福岡 伸一: 生物と無生物のあいだ
      著者の福岡伸一氏は分子生物学者。ワトソンとクリックによるDNAの二重らせん構造の発見以来、分子生物学の進化はめまぐるしい。それらの流れを追体験しながら動的平衡論にたどり着く頃には、生命の本質に対する謎解きに自身も参加しているような気分になる。
      海外の研究機関の研究者としての日常や、最先端の研究成果を巡る世界の研究者との競争を巡る心理もキッチリと描かれミステリー小説を読んでいるかのようです。生命と自然に対する畏敬の念が現れた、エピローグも素晴らしい。

    • 佐藤 賢一: 英仏百年戦争

      佐藤 賢一: 英仏百年戦争
      14世紀から15世紀にかけての英仏百年戦争は、二国間の争いというよりフランスの内戦としての意味合いで語るべきだ、という認識の土台に立って、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクなどの時代を語る。西洋歴史小説の名手が書き手ということもあって、ヨーロッパ史に詳しくない方でも楽しめる内容かと思われます。