個人的に極小エリアにおける情報提供サービスには、関心があるのですが、NECの発行するメルマガ"IT Sauare NEWS"に、位置情報に基づく情報サービスの実例2ケースの紹介がありましたので、メモがわりに。
【事例1】 鉄道利用客の移動にともない、訴求力の高い情報を提供し、アクションを誘発する〜「小田急グーパス」
位置情報と聞くと、GPS 活用を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、鉄道の改札も人々の行動を読むセンサーとして機能する。
「定期券を利用しているお客さまは、通常、自宅最寄り駅と通っている駅の乗車・降車で、1日に4回、改札を通ります。これら改札の通過で、移動中であるということに加え、そのお客さまがどこに向かっているのか、方向性もある程度予測できます。そこで、移動を始めたタイミングを捉えて、向かうエリアのイベントやショッピング、グルメに関する最新情報などを提供していく。グーパスの主眼は、日々の情報提供で通勤・通学といった時間を少しでも楽しくしていただくことにあります」
あらかじめ登録した個人情報に基づいて、改札通過をトリガーとして携帯電話にメールで情報がPUSHされてくる仕組み。現在会員数が3万7,000人。6エリアに分けられた沿線情報と、5つの情報ジャンルの嗜好度、性年齢などのデモグラフィックデータをベースに配信内容をカスタマイズしているそうです。
「広告メールの配信では、乗降する駅や性別、年齢で絞って、『今日の朝、新宿で降りる21歳の女性だけに送る』といったことも可能です。実際、百貨店が新宿から経堂までの駅に降りる会員だけを対象に、その日の夕方にデパ地下で使えるディスカウントクーポンを配信したこともあります。その結果、メールを受け取った人が、帰りがけにデパ地下に向かった。ターゲットを絞ってより訴求力のある広告展開したいという企業が増える中、グーパスは広告媒体としても注目されています」
今年8月からは、関西の私鉄で導入が始まった非接触ICカード「PiTaPa(ピタパ)」を使ったサービスがスタートしたとのこと。
小田急グーパス
PiTaPaグーパス
【事例2】 リアルタイムの現場情報送信など業務効率化への活用〜位置情報画像掲示システム「位置コミ」
こちらは、GPSを活用した情報共有の仕組み。岩手県の土木建設業の小田島組が社内向けに開発したもの。
「きっかけは、写真に緯度・経度を入れたいと思ったことです。当社はマンホールの取り替え工事を提案型営業で受注してきましたが、提案に際しては、地域のマンホール状況を独自調査し、老朽化している場合はその写真を撮って報告書に添付し、管理者である市の水道局や電話会社に提出してきました。ただ、写真のストックが1000枚規模を超えると、マンホールの外観が似ているため、どこで撮影したものか混乱するケースが増えてきた。そこで、GPS 機能付デジタルカメラで撮影し、緯度・経度といった位置情報のテキストデータを写真に埋め込み、データベース化するようにした。さらに5年前から、市販の地図ソフトと組ませ、マンホール画像やその所在地などを自動表示するシステムの開発に乗り出しました」
現在はシステムをASPとして提供するビジネスを行っている模様。
一方、小田島組はIT事業部を立ち上げ、ASP 事業としてこれら業者にシステム・サービスを提供する業務を始めた。自社の工事改善、社内業務効率化のための開発が新たな事業を生み出した
位置コミ
最近では、GPS機能付の携帯電話が、一般にも普及し始めた背景もあり、よりパーソナルな情報共有メディア風エンタテインメントに仕上げた"TOKYO PICTURESQUE"という例もありますね。
メールでわざわざ(パケット料金負担しながら)情報がプッシュされるよりも、せっかくその場所にユーザーがいるわけですから、無線通信でデータの送受信が行えるといいと思いますが、Wi-Fi対応の機種の普及率や、既存の赤外線インターフェースの使いづらさ(赤外線通信をOnするには、端末側の操作が必要)もあって、現状ではなかなか実用ベースにはのらないのかもしれません。
PDAやPocketPC向けのコンテンツ配信ビジネスを想定した、無線LAN接続サービスのエリアに入ると自動的にコンテンツをダウンロードするソフト(RBB Today)という記事がありました。このあたりの動向も、継続してウォッチしてみたいと思います。
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